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五輪に挑んだ元清掃員

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わおー、あの街中で収集車の後をダッシュで走ってゴミを拾い上げる清掃員が、あと一歩でオリンピックに出場出来そうだったんですねー。残念。。。なんだか皮肉な話ではあるものの、でも夢のある良い話ですね^^

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■五輪に挑んだ元清掃員

 ブラジルでこの4月、南東部サンパウロに住む陸上長距離選手、ソロネイ・ホシャ・ダ・シルバさん(30)のロンドン五輪への挑戦がちょっとした話題になった。

 シルバさんは、サンパウロ近郊ペナポリスの元清掃員。24歳の時から数年間、1日おきに約25キロ・メートル、廃棄物収集車の後部にゴミ袋を放り込みながら走る生活を送り、期せずして基礎トレーニングを積んだ。09年、友人に誘われ、たまたま参加した地元のロードレースで入賞。やがて本格的に練習に取り組むようになり、11年にメキシコで開かれたパンアメリカン大会の男子マラソンで金メダルを獲得し、ロンドン五輪出場が期待されるようになった。

 今ではスポンサーに練習施設などを提供されているシルバさんだが、清掃員時代の月給は575レアル(約2万8000円)だったといい、決して裕福ではなかった。若い時から専門家の指導を受けてきたわけでもない。高校中退の素人が彗星(すいせい)のように現れた、という物語にスポーツメディアが注目した。

 シルバさんのコメントも気が利いていた。「ゴミ収集の仕事をしていたことは誇りだ。私がこれまでに得たメダルは、ブラジルのすべてのゴミ収集係や清掃員たちのものだ」「家族のために、よりよい生活のために、私は全力で走る」といった調子で、家族や友人を大切にする価値観を持つブラジル人の胸に響いた。

 結局、シルバさんは4月22日のロンドンマラソンで基準タイムを切ることができず、五輪初出場はならなかった。が、その挑戦がそれなりに報じられたことには、新鮮な印象を持った。サッカー王国ブラジルでは、その他のスポーツの選手がメディアに取り上げられることは非常に少ないからだ。新聞のスポーツ面は通常、大半がサッカーの記事で埋まる。それが、少しだが、変わってきていると思ったのだ。

 背景には無論、16年に行われるリオデジャネイロ五輪がある。ブラジル政府はすでに、ホスト国としての名誉をかけ、五輪競技全般の有望選手への支援を強化し、練習環境などはずいぶん改善されたようだ。競技場や空港、高速道路など社会資本の整備にも懸命になっている。残る問題はたぶん、メディアや国民がサッカー以外の競技にも関心を持ち、大会を盛り上げられるかどうかではないかと感じていたところだった。

 サンパウロ大のカチア・フビオ教授(スポーツ心理学)はこう指摘している。

 「政府は、社会資本整備や経済効果のことばかり考えている。しかし、どんなに立派な競技場を作っても、主役になる選手がいなければ五輪はできませんからね」

http://www.yomiuri.co.jp/job/biz/columnworld/20120525-OYT8T00855.htm