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HSBCブラジル投資セミナー ブラジル株式市場は上昇基調へ

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4/24に開催されたブラジル投資セミナーの内容だそうです。もしかしたら既に局面は変わっている可能性もありますが、まぁ投資セミナーだけあってポジティブな内容が並んでおります。参考までに…^^

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■HSBCブラジル投資セミナー ブラジル株式市場は上昇基調へ

HSBCバンクブラジル エス エイ
Banco―Múltiplo 運用部門CEO ペドロ・バストス氏

HSBCは先ごろ「ブラジル投資セミナー」を開催。ブラジル株式および債券ファンドの運用を手掛けるペドロ・バストス氏により、ブラジル経済の現状と見通しが語られた。同氏はブラジル株を「世界で最もリスクの低いアセットクラスの1つ」と評し、欧州問題の再燃でマーケットが再びリスク・オフの様相を呈する中、「投資チャンスが到来しつつある」と指摘。その根拠が語られたセミナーの内容を抜粋して紹介する。(本文内容はセミナー開催4月24日時点のもの)

 投資チャンスを迎えたブラジル

ユーロ終焉(しゅうえん)の声も聞かれるが、後で振り返れば、現在のブラジル株は「絶好の買い時だった」と言えるだろう。2010年を思い出してほしい。ギリシャのデフォルト懸念でブラジル株式市場は4―5月にかけて10%下落したが、ブラジルはギリシャとは何ら経済的なつながりを持たない。

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ブラジル投資の魅力を語る前に、直近の動きをおさらいしよう。

ブラジルの株式市場は10年、11年と2年連続で厳しい環境が続いた。好調だった09年からの反動、世界規模で食料などコモディティ価格が高騰したため、インフレを懸念した投資家たちが新興国への投資を手控えたことなどが大きな理由だ。しかしながら、ブラジルのインフレ率は11年9月に7.3%でピークを打っている。政府が中央銀行の金融政策に介入し、アグレッシブに金利を引き上げたことが正しかった、ということが証明されたのだ。

明らかにブラジル中央銀行は緩和策に転じており、早くとも13年半ばまでは政策金利を1ケタ台で維持するとみられる。大手銀行は中小企業に対する貸し付けを増やしており、これが刺激となってブラジル株、とりわけ消費関連内需株を中心に復調の兆しが表れている。

こうして政策にも自信を持ったブラジルに対する“向かい風”は弱まりつつある。外国人投資家は年初来57億レアルの買い越しとなっている。

 ジルマ新政権下で成長加速

ジルマ政権はルーラ前大統領と比較して汚職防止に積極的に取り組むなど、国民からは好意的に受け入れられている。こうしてブラジル経済の構造的問題を解決しつつ、「成長加速プログラム(PAC)」の12年の投資目標累計額426億レアルの達成を目標に掲げるなど、成長促進策を多数盛り込んでいる。

■インフラ投資に本格着手■

数カ月前にはインフラ面のボトルネック解消に向けた政策に着手。国内主要3空港の運営民営化のための入札が行われ、いずれもプレミアムが付いた。また、ブラジル沖合のプレサル層の開発にも着手しており、原油生産量は11年5月の日量2万8000バレルから、7万バレルへの拡大が見込まれている。こうして14年までに設備投資を対GDP(国内総生産)比24%にまで引き上げることで、GDPを1.5%押し上げる効果が期待されている。

さらに、新政府は企業向けに低利融資制度を導入するなどの景気刺激策を導入したほか、公務員向けの新しい年金制度改革法案を可決。日本のように年金給付を現役世代の拠出金で賄うのではなく、自らの積立金を運用する方法に変更することで、政府歳出の過半数を占める社会保障関連費用を圧縮し、そのぶん、公共事業費の増額を可能とする体制を整えた。

結果、景気は底入れしつつあり、11年3Qの▼0.1%から、翌4Qは△0.2%、12年下半期以降は着実な回復が見込まれる。

■個人消費は「拡大モード」へ■

HSBCでは12年のGDP成長率を3.2%と予想している。まだ統計には表れていないが、年初に法定最低賃金が大幅に引き上げられたことや、足元では失業率が歴史的な低水準にあること、金利水準も低く、先述したように政府が次々に景気刺激策を打っていることなどから、個人消費は今後も拡大を続け、今後2年間でブラジル経済は“拡大モード”に突入するとみる。

年初の最低賃金引き上げによる国民所得の押し上げ効果は800億レアルと、GDP比1.8%を見込む。また、失業率は4月時点で6.0%と歴史的な低水準にあるが、インフラが整備されていないブラジルでは人の移動が起こりづらく、この数字は実質的な完全雇用といっていい。

 株価水準は回復局面入り

ブラジル・ボベスパ指数のPBR(株価純資産倍率)やPERなどの株価指標を見ると、最近の状況は08年の危機直後のそれと類似点が多い。しかしながら、数々の景気刺激策によりEPS(1株利益)成長率がかなり回復し、12年予想の3%台から13年には20%近くまで上昇するとみる。

短期間に金利が引き下げられたことも、国内経済にプラスの影響を与えている。内需拡大が予想より早期かつ力強く加速する可能性が高まっており、例えば最近では低所得者向け住宅の需要が伸長していることから、政府は既に竣工した50万戸に加えて、60万戸を新規発注している。

過去のデータも、今後の株価上昇を納得させる良い材料だ。ブラジルでは過去19回利下げを行ったが、その後12カ月間でボベスパ指数が下落したのはたった1度だけ。「FRBと争うな」という相場格言と同様、ブラジル中央銀行に従うのが正しい戦略だ。

■「ボベスパ指数」見通し■

あくまでイメージだが、12―13年、長期金利が9%に戻ったと仮定すると、15―20%のアップサイド・リスクが期待される。今後も2ケタ成長が続くだろう。

最近では、グローバルな年金基金が直接、ブラジルや中南米などに投資を行っている。南米大陸はこれまで「世界の投資家に忘れられていた地域」だったが、現在では、欧州から引き揚げられた資金がこちらに振り向けられているようだ。

■「債券・為替」見通し■

ブラジルは世界で最も実質金利が高い国の1つであり、他国と匹敵する水準にまで金利を引き下げる必要があるだろう。例えばメキシコ。信用リスクはブラジルと同程度ながら、実質金利は3分の1未満にとどまる。

従って、政府はここ2―3年で利下げを行い、中南米あるいはエマージング諸国の平均を目指す必要がある。経済が発展する中の利下げになるが、これは非常に重要。インフラ投資を行うにあたり、より低利で融資できる環境を整えることで、投資家を引きつけることができる。

為替は、長期的にレアル高基調が続くだろう。行き場をなくしたハードカレンシーの流入でボラティリティは上昇するも、08年のような急落は今後起きないと考える。政府は非常に保守的で、為替デリバティブ取引のエクスポージャーを持っていない。そもそもブラジル国内では為替の影響を受けやすい証券投資額を直接投資額が上回っており、健全なマクロ経済運営がなされている。

■「サッカーW杯」のインパクト■

ブラジルでは14年にサッカーW杯、16年には夏季オリンピックを開催予定。サッカーW杯はブラジル経済に250億米ドルのインパクトを与えるだろうと試算されている。インフラなどへの投資総額は1兆5000億米ドルに上るが、この金額以上の効果がもたらされるだろう。

ブラジル経済はGDPの6割を家計消費が占めるなど、内需に支えられた非常に閉鎖的な性質を持つ上に、これまで官僚主義が横行していたため、事業を期限内に完了させるという習慣がなかった。今回のスポーツイベントを無事に成功させることで、ブラジルがグローバル経済の一員として認められる絶好の機会となるだろう。

■世界経済が及ぼす悪影響■

欧州で新たなストレスが生じた場合、ブラジル経済に悪影響はあるのか? 現在、アジアや南米向けの輸出がブラジル輸出額全体の52.4%を占めており、欧州への依存度は20%未満、米国は10%未満。そもそも、先述した通り、ブラジルは依然として経済開放度が低く、輸出は対GDP比で1割程度にとどまるため、グローバル経済の感応度は高くない。

政府は積極的にさまざまな成長プログラムを打ち立てる一方、インフレ対策のために約3500億米ドルまで積み上げた外貨準備高を積極的に引き下げて、中央銀行がこれを市場に還元する動きを見せるなど、ブラジル経済の成長は底堅い。(Y)

http://www.nsjournal.jp/column/detail.php?id=300271&dt=2012-06-12