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「日本での電子書籍サービス、まもなくお披露目だ」

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楽天が買収したKoboですが、年内にはブラジルでもサービス開始だそうです。大手書店チェーン2~3社との提携が決まる見込みとのこと。いよいよブラジルにも電子書籍の時代が来そうですね。

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■「日本での電子書籍サービス、まもなくお披露目だ」

カナダ・コボのマイケル・サビニスCEO独占インタビュー

 カナダに拠点を構え、グローバルで電子書籍ビジネスを展開しているコボ。日本では楽天が2011年11月に3億1500万ドル(日本円で約236億円)で買収を発表し、注目を集めた。カナダの大手書籍チェーン、インディゴ・ブックス・アンド・ミュージックの子会社として2009年に創業。その後、米国の第2位の書店チェーン、ボーダーズ・グループと提携したものの、同社が破綻。米国では事業展開の足場を失った。現在では、家電量販店との提携で端末販売網を再構築している。

 コボは日本でも7月に電子書籍ビジネスを始める。日本市場開拓を目前とした6月5日には米アマゾン・ドットコムの自費出版サービスに対抗する「Writing Life(ライティング・ライフ)」を発表。6月末にも個人や中小出版社の自費出版をサポートするサービスを始める。こうした中、コボのマイケル・サビニスCEO(最高経営責任者)が日経ビジネスの独占インタビューに応じた。
(聞き手は原 隆)

ーー日本市場でのサービス開始を控えている。楽天による買収から半年だが、この短期間で開始できる体制が整った理由は。

●「最も本を愛している人たちにリーチする」

マイケル・サビニス(以下サビニス):日本市場はほかの国と異なる問題が様々あったが、うまく乗り越えられた。まもなくお披露目だ。

 我々は現在、世界190カ国で電子書籍ビジネスを展開し、12カ国以上で電子書籍端末を販売している。ここまで急速に海外展開を進められているのは我々が事業展開のための「レシピ」を持っているからだ。これは各国の書籍販売店、パブリッシャーとの間でウインウインのモデルを築くというもの。国際的なコンテンツをそろえることは大事だが、やはり電子書籍ビジネスはローカルの人気コンテンツをその国の言語で獲得するのが決め手となる。

 例えば、我々は各国の老舗の書店チェーンと組むことが多いが、それはその国で最も本を愛している人たち、本を読む人たちにリーチできるからに他ならない。そして、重要なのは各地域における(読者の)経験だ。例えば、英国では最大手の書店チェーン「WHスミス」、フランスでも大手書店チェーン「フナック」と戦略的な提携関係にあり、地元の人たちはそれぞれの国の商品だと思って楽しんでくれている。

 年内にはブラジルでもサービスを開始する予定だが、ブラジル市場には大きな書店チェーンが2~3社ある。これらの書店チェーンとの提携がまもなく決まる。これは我々にとって完璧なシチュエーションであり、クリアな戦略が持てるケースだ。

ーーしかし、日本は他国と比べて書店の再編は進んでいない。本を読む人たちとの接点をどこで持つつもりか。

サビニス:そこが日本市場と他国が異なる点だ。楽天もEC(電子商取引)を生業としている企業のため、リアルな接点の場がない。そのため、実際に端末に触れるタッチ・アンド・トライの場を自ら作っていくことも視野に入れている。

 我々は何も書店だけにパートナーを限っている訳ではない。リアルなスペースそのものよりも、本が好きな人たちがそこにいるかどうかが重要だ。家電量販店にだって、DVDをはじめとするコンテンツ好きな人たちが集まっている。もともと米国ではボーダーズと組んでいたが破綻してしまった。しかし、今では家電量販店大手のベストバイと組んで端末を販売している。今年の年末に発表する予定だが、米国市場においても新しいパートナーと組む。米市場においても再挑戦するつもりだ。

 もちろん日本市場での楽天との相乗効果は大きい。まず、「楽天市場」で端末、および周辺機器を販売する。さらに楽天市場では紙の書籍も販売している。こうしたストアにはターゲットとなる顧客がいるし、コボの端末やコンテンツを並べられるだろう。

ーー自費出版サービス「Writing Life(ライティング・ライフ)」を6月末に開始する。先行するアマゾンとの違いを教えてほしい。

サビニス:大きく3つの違いがあると考えている。まず、オープンプラットフォームだということ。我々は作家を囲い込むことはしない。弊社のサービスで出版しつつ、ほかのプラットフォームで販売してもかまわない。

 次に作家がより稼げる環境を作り上げていることだ。ほかのプラットフォームよりもマージンを上げる。その一方で、販売価格を無料にすることもできる(編集部注:マーケティングに活用できる)。作家がきちんと利益を上げられるよう、様々な施策を提供することに注力している。

 3つ目が、作家自身に対して読者を分析するためのダッシュボードの機能を提供するということだ。自身が生み出した書籍がどこの国で販売されていて、どんな人に買ってもらっているのか。読者との距離を縮め、読者のことをより良く知ってもらうマーケティングツールを提供する。

 ライティング・ライフは作家のために作り出したツールだ。このツールを作るために、何人もの作家の方に話を聞き、必要な機能をそろえていった。何が必要で、何が本当に役立つのかを我々が知る必要があった。そのため、このツールを作るのには本当に時間がかかった。

 米国で6月末に始めた後、すぐに欧州、日本へと広げていく予定だ。早ければ今年の終わりにも日本で提供できるだろう。

●「価格帯が異なる端末を揃えていきたい」

ーー新しいハードウエアの開発状況について教えてほしい。

サビニス:詳細は言えない(笑)。ただ、現在販売しているものとは価格帯が異なるものを揃えていきたいと考えている。現在、我々が販売している端末の中では電子インクを採用した6インチの電子書籍専用端末「Kobo Touch(コボ・タッチ)」が最も売れている。この端末は米技術系雑誌のWIRED(ワイアード)の2012年1月号で最も素晴らしい端末として選ばれ、フランスでもデザインの賞をもらった。

 ただ、端末によって売れるコンテンツが違う。例えば、我々が出しているアンドロイドを採用したタブレット型のカラー端末「Kobo Vox(コボ・ヴォックス)」では有料コンテンツのコンバージョンがKobo Touchと比べても高いということが分かっている。カラー端末で書籍を買うというのは顧客にとっても楽しい経験だし、グラフィックノベル(アメリカンの漫画)や子供向け漫画など幅広いコンテンツも提供できる点が大きい。

ーーKobo Voxのようなアンドロイドベースの端末が今よりも普及すれば、電子書籍に閉じない事業展開が見込めるのでは。

サビニス:もちろんこうしたタブレットは電子書籍以外のビデオや音楽といったコンテンツも楽しめる。(音楽配信や動画配信事業に対して)長期的にどうかと言われると分からない。可能性としてはあるだろうけど、やはり我々のメーンの事業は目下、電子書籍であることは間違いない。

http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20120622/233666/