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情報BOX:ブラジルをめぐる主要な政治的リスク

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こうしてみると、まぁ色々なリスクが盛りだくさんという感じですね。とはいっても、この手は何もブラジルに限った話ではないかとも思いますが…^^;

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■情報BOX:ブラジルをめぐる主要な政治的リスク

[4日 ロイター] 政権を掌握してから1年半が経つブラジルのルセフ大統領は、停滞する経済という1つの大きな逆風に直面している。与党の労働党の支持率は、経済の発展と共に拡大してきただけに敏感な問題だ。

ブラジル経済は、4四半期連続の低成長となっており、国内外の先行き不透明感から企業も投資を縮小している。エコノミストは今年、国内総生産(GDP)成長率が2%をやや上回ると見込んでいるが、これは2010年の7.5%とかけ離れている。

経済は年後半に幾分か上向くことが見込まれるものの、エコノミストはこれによるインフレ率の加速を懸念する。ブラジルのインフレ率は2011年に7年来の高水準となっていた。

ルセフ大統領の支持率は依然として高いが、債務不履行の拡大などの兆候は、製造業分野と同じく、現時点で消費活動も衰えてきた可能性を示している。

大統領はこの景気減速に対応するため、特定の産業に対する刺激策を相次いで明らかにしている。また中央銀行は景気減速を、歴史的に高水準にある政策金利を引き下げる好機ととらえている。

その一方で、喉頭がんの治療が完了させたルラ前大統領は5月後半、2014年の大統領選挙にルセフ大統領が出馬しない場合は、名乗りを挙げることも検討していると表明。これが波紋を呼び、ルセフ大統領は1期だけで退くとの憶測を呼び起こしている。

ブラジルでは製造業が低迷する一方で、国民の多くは景気減速に鈍感なようで個人消費は健全さを維持してきた。エコノミストはこのいわゆる「二速経済」の持続性に長年懸念を示してきた。

だが現在、消費活動の減速を示す兆候も表れ始めている。5月の借金の滞納は過去最高となっており、多くがぎりぎりの状態で消費活動を続けていることが示された。エコノミストは、失業率も確実に上昇し始めると予想している。

税金の高さや労働コスト、通貨高により、ブラジルの製造業者は安価な輸入品に太刀打ちできなくなっている。ルセフ大統領は税控除やその他のインセンティブを通じて一部の業界に優遇策を導入する一方、オートバイや電子レンジといった特定の輸入品にかかる税率を引き上げた。

だが、エコノミストは製造業の競争力を高めるための税制や労働法規の抜本改革が、ブラジルの産業界を実質的に上向かせる転換点になると指摘する。これらの改革は、動きの鈍い議会であいまいなままになっており、エコノミストは経済を実質的に刺激する策は少ないと指摘する。

注目点:

─ 個人消費拡大を支援するさらなる税控除

─ 一部税制の簡素化に向けた段階的な取り組み

<政策金利がなおも頼り>

政策金利は依然として、経済の動きを調整するためにブラジル当局が最も当てにするツールだ。

内閣の関係者はロイターに対し、世界で最も高い水準にある政策金利の段階的な引き下げが中期的に経済を活性化させるための最良の方法とコメント。個人消費を刺激し、資金がインフラなどより生産性のある投資に流れるようになるためという。

中銀は事実上の独立性を保っているが、ルセフ大統領はブラジルの政策金利を先進国により近い水準まで引き下げるとの目標をしばしば繰り返しており、中銀のトンビニ総裁はこれに従っている。

6月末時点の政策金利は過去最低の8.5%。景気回復の兆候がなく、予想を上回る消費者物価指数(CPI)の上昇もなければ、エコノミストは2012年末までに政策金利は7.5%まで引き下げられると見込む。

景気減速はインフレ抑制に一役を買っているものの、ここ最近のインフレ報告では、経済が上向けば、物価が急速に押し上げられる可能性があるとの見方が示されている。

インフレ率は現在、前年比約5%の水準にあり、政府が設定する上限の6.5%の範囲内。だが、中期的な目標である4.5%を依然上回っている。

注目点:

─7月11日の会合で50ベーシスポイント(bp)の利下げの可能性。

─金利や国外の経済見通しに関する中銀見解。

<通貨の変動>

ブラジルは公式には変動為替相場制を取っているが、実際は通貨レアルの急変動を回避するため、頻繁な介入を実施している。

政府の施策に加え、世界経済をめぐる根強い不透明感で新興市場への投資が縮小していることから、レアルは対ドルで最近、1ドル=2レアルの水準を割った。この水準となるのは2009年来のこと。

製造業者はレアル安を歓迎しているが、大幅な変動に対する懸念も残っており、中銀は下落が最も大きい場合は市場に介入した。

注目点:

─通貨変動抑制に向けたさらなる中銀介入。

─外資の流入をめぐる税制の変更。

<動きの鈍い議会>

ルセフ大統領は上下両院で過半数の支持を得ているものの、最近の森林法の改正のような話題では連立を組む政党でも政権側と距離を置くことが証明された。与党・労働党、連立を組む政党および野党の間での一触即発の関係は、対立点の少ない法案でさえ協議を困難なものとする。

税制をめぐる煩雑な規則など、税法をわずかに変更するためにも議会の承認は必要で、長年決まっていない鉱業や石油セクターのロイヤルティーに関する改革も懸案だ。

注目点:

─税制をめぐる政策の段階的な進展。

─ロイヤルティーに関する規制をめぐる動向。

<貿易障壁が裏目に>

ルセフ大統領の景気支援に向けた取り組みは、対象セクターを海外との競争から保護することにもつながっており、ブラジルを中南米地域で孤立させ、一部の多国籍企業の事業計画を困難なものにしている。

ブラジルは今年初め、メキシコとの貿易協定について再交渉し、3年間にわたって同国からの自動車輸入を制限。これが中南米の2大国の関係を冷え込ませた。アルゼンチンとも自動車や他の分野で貿易抑制に向けた措置を取った。

これらの措置に対して海外の関係者の不満は増しており、ブラジルが措置を継続させる場合には世界貿易機関(WTO)が報復的な措置を求める可能性も高まってる。

注目点:

─輸入品の流入を抑えるためのさらなる課税や関税。

─貿易相手による報復措置の警告。

<ルセフ大統領の健康問題>

ルセフ大統領の健康への懸念は後退しているが、完全には消えていない。昨年5月に肺炎を患い回復に時間がかかったことがあった。2009年にはリンパ腫の治療を受けている。

医師から健康には問題ないとお墨付きを得ているが、糖尿病、甲状腺機能低下、高血圧も報じられている。

http://jp.reuters.com/article/worldNews/idJPTYE86403420120705?sp=true