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豪華メンバーそろうサッカー王国ブラジル、狙うは金メダルのみ

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さて、ロンドン五輪!頼みますよ!今度こそ金メダルを!でも、この記事にあるように、確かにちゃんと準備出来ていないのも事実そうですね。さて、どうなることやら…

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■豪華メンバーそろうサッカー王国ブラジル、狙うは金メダルのみ

■ 特別な強化は行っていないが……

 ワールドカップ(W杯)を5回制覇しているブラジルサッカー界に唯一欠けているビッグタイトル、それが五輪の金メダルだ。もちろん今回のロンドン五輪でも、国民の期待は金メダルのみ。2014年にホスト国として迎えるW杯、16年のリオ五輪に向けて弾みをつけるためにも、何としても得たいタイトルではあるのだが…。ブラジルは五輪に向けた特別な強化策をとってきていないのが現状だ。

 監督は、A代表監督のマノ・メネーゼスが兼任する。ロンドン五輪南米予選は、昨年行われたU−20南米選手権が兼ねていたので、ネイ・フランコ(7月からサンパウロの監督に就任)監督が指揮を執った。わずか2つという出場枠を懸けた厳しい戦いはネイ・フランコが担当し、マノ・メネーゼス自身が「おいしいとこ取り」をするというわけだ。昨年1月の時点でロンドン行きの切符を手にしたものの、歓喜を味わったチームは解体。マノ・メネーゼス監督は、五輪を見据えたU−23の選手をA代表で起用することはあったものの、五輪に的を絞ったチーム作りは行っていない。

 若手が次々と台頭しているブラジルでは、当然A代表、U−23代表の双方から必要とされる選手も出てくる。しかし、クラブは二つの代表のために選手を貸し出すことを快く思わないため、招集は強制力のあるA代表一本に絞らざるを得ず、十分な準備はできなかった。

■ 豪華メンバーがそろう

 それでも選手一人一人の個人能力では、歴代最強と言っても過言ではない。実際、多くの選手がすでにA代表にも多く招集されており、ネイマール(20歳)、ガンソ(22歳)、アレシャンドレ・パト(22歳)、ルーカス(19歳)、レアンドロ・ダミオン(22歳)などは、A代表でも主力選手として存在感を放っている。組織力では五輪専用のチームで戦ってきている国に劣るかもしれないが、個人で打開できるタレントがそろっている。

 18人の代表選手の顔ぶれは次の通り。

GK:
ラファエウ・カブラウ(サントス)
ネト(フィオレンティーナ/イタリア)

DF:
ダニーロ(ポルト/ポルトガル)
アレックス・サンドロ(ポルト/ポルトガル)
マルセロ(レアル・マドリー/スペイン)※
ラファエル(マンチェスター・ユナイテッド/イングランド)
チアゴ・シウバ(パリ・サンジェルマン/フランス)※
ジュアン(インテル/イタリア)
ブルーノ・ウヴィーニ(サンパウロ)

MF:
サンドロ(トッテナム/イングランド)
ロームロ(スパルタク・モスクワ/ロシア)
ルーカス(サンパウロ)
ガンソ(サントス)
オスカール(インテルナシオナル)

FW:
フッキ(ポルト/ポルトガル)※
ネイマール(サントス)
レアンドロ・ダミオン(インテルナシオナル)
アレシャンドレ・パト(ミラン/イタリア)

※マルセロ、チアゴ・シウバ、フッキの3選手がオーバーエイジ(OA)

 注目は、もちろんブラジル最大のスター選手であるサントスのネイマール。かつてはロマーリオもつけたアタッカーの証である背番号11をつける。代表チームがロンドンに到着した時、ネイマールは大勢のメディアとファンに取り囲まれ、警察官がガードしたほどだった。

■ 疑問視されるフッキの選出

 そして、10番は、ネイマールの相棒であるガンソかと思いきや、インテルナシオナルのオスカール。負傷がちのガンソに代わって、6月に行われたアメリカでの遠征で、指揮官の信頼を勝ち取った。

 オスカールは、サンパウロの育成部出身でクラブの未来を背負って立つと言われた逸材。トップチームでの出場機会に恵まれないことを不満に退団し、一時は所属クラブがない状態だったが、その後インテルナシオナルに新天地を求めた。逸材の流出をサンパウロが簡単には認めず、論争は数年に渡り、今年5月についにインテルナシオナルが、サンパウロFCに1500万レアイス(約6億円)払うこととなった。

 世代別の代表にも常に選ばれたオスカールは、五輪予選となったU-20南米選手権でチームの主力として優勝に貢献し、さらに同年に行われたU−20W杯でもチームを優勝へと導いた。クラブでは20歳ながらもレギュラーとしてなくてはならない選手であり、マノ・メネーゼスはA代表にも起用している。移籍がまとまらなかったとはいえ、チェルシーが約40億円のオファーを出したとされており、今後ますます欧州からの注目が集まる選手だ。

 一方、批判を浴びたのがフッキ。OA枠を使うなら、ベテランこそが役立つディフェンスラインに起用すべきで、FWのフッキを呼んだのは間違いという批判が飛び交った。しかし、一時はロナウジーニョを構想に入れていたことから考えれば、彼を外したことだけでもよしとした方がいい。08年北京五輪の際に、当時の指揮官ドゥンガがロナウジーニョを連れて行き、大失敗したことを思い出したのだろう。

 フッキは、今年6月に行ったA代表のアメリカ遠征でマノ・メネーゼスからの評価を得てOAとして呼ばれたわけだが、このアメリカ遠征は成功とはいえない結果(メキシコ、アルゼンチンに敗戦)だっただけに、マノ・メネーゼスの判断が疑問視された。現在は国会議員をしているロマーリオがフッキの招集に対して異議を唱えたほどだ。

 予想される布陣(システム)は、4−4−2だ。攻撃的サッカーを目指す。

 GKのラファエウはサントス不動の守護神として南米王者にもなっている。攻撃陣は、ルーカスとオスカールが中盤前目の位置に入り、2トップではネイマールが左右前後を自由に動き、ヘディングが得意で得点感覚に優れたレアンドロ・ダミオンがゴールを狙う。

 このカルテットが、生き生きと水を得た魚のごとく動くことができるかによって、ブラジルらしいパスワークと相手DFに切り込むようなドリブルを混ぜたサッカーになるかが決まる。もちろん、そのためにはサイドバックのバックアップが欠かせない。左サイドバックのマルセロには攻撃面でも期待がかかる。

■ 金メダルを取るためにロンドンに来た

 初戦のエジプト戦(26日)まで唯一の強化試合として、21日のイングランド戦が予定されているが、わずか1試合で、どこまで調整できるか。ブラジル国内ではエジプトこそアフリカの強豪として一目置いているが、ベラルーシ、ニュージーランドについては、話題にも上らない。また、ブラジルがC組を一位で通過し、D組の日本が二位なら準々決勝で当たることとなるのだが、今のところ、日本対策の話題も一切出ていない……。だが、こんな無関心ぶりはいつもの通りだ。どんな大会も、ブラジルは始まってからエンジンをかけるだから。

 地元開催の14年W杯に向けて南米予選がないマノ・メネーゼスにとって、ロンドン五輪は格好の真剣勝負となる。2年後のW杯で優勝できるチームのベースをロンドンで作れるかが最大の課題である。もちろん、金メダルを取ることを前提だ。

 金メダル候補筆頭という言葉は聞き飽きた。ネイマールは『五輪は参加することに意義がある』という哲学に対して、「勝たなければ意味がない。僕たちは金メダルを取るためにロンドンに来たんだ」と語った。国民も同じ気持ちだ。今度こそ、金が欲しい。

<了>
大野美夏(おおのみか)
ブラジル・サンパウロ在住。サッカー専門誌やスポーツ総合誌などで執筆、翻訳に携わり、スポーツ新聞の通信員も務める。ブラジルのサッカー情報を日本に届けるべく、精力的に取材活動を行っている。特に最近は選手育成に注目している。忘れられない思い出は、2002年W杯でのブラジル優勝の瞬間と1999年リベルタドーレス杯決勝戦、ゴール横でパルメイラスの優勝の瞬間に立ち会ったこと。

http://london.yahoo.co.jp/column/detail/201207200002-spnavi