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リオ大会成功で大国入り狙う 「ブラジル新世紀」の戦略

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さて、ロンドンオリンピックも閉会式を迎えて、いよいよ次はリオデジャネイロオリンピックですね!色々と課題も上がっているのは事実ですが、ぜひ良い大会を創り上げられるといいですね^^

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■リオ大会成功で大国入り狙う 「ブラジル新世紀」の戦略

 2億人のブラジル人がいま、ロンドン五輪に熱い視線を送っている。ブラジル第2の都市、リオデジャネイロは2016年夏季五輪の開催地だ。ジルマ・ルセフ大統領は最近になって、「リオ五輪は北京五輪、ロンドン五輪をしのぎ、歴史上、最高の五輪を開催する」とぶち上げた。

 そのリオで4年後に向けて五輪関連の工事がすでに始まった。ただ、開催に間に合うのかと早くも疑問の声が出始めている。ホテルの建設も進まず、豪華客船に宿泊させる案まで浮上しているほどだ。

 ブラジルでは五輪に先立ち14年にサッカー・ワールドカップ(W杯)が開かれるが、その関連工事でストが頻発している。「なんとかなるさ」という楽観的な国民気質が足を引っ張るかもしれない。

 一方で気になるのが治安状況だ。警察は犯罪の温床でもあるリオのファベーラ(スラム街)を制圧し、交番を設置して24時間態勢で治安維持の強化に乗り出した。「リオは諸外国への『ショーウインドー』。リオを安全にし、世界にPRするのが政府の思惑」(地元紙)という。

 ただ、ファベーラでの殺人事件は減ったが、犯罪組織は分散したとされ、地方で凶悪事件が増加している。治安を考えれば、「(リオだけの)五輪、次に(12都市での)W杯と、順序が逆だったらよかった」との声も聞こえる。

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 ロンドン五輪でもブラジルは自国での夏季五輪を次回に控えるだけに躍進が注目される。11日までに12個のメダルを獲得したが、目を引いたのは、日本の牙城、柔道女子48キロ級での金メダルだ。五輪の柔道でブラジルに初のメダルをもたらしたのが日系移民だったということもある。

 1972年のミュンヘン五輪。ブラジルに帰化した石井千秋氏が銅メダルを獲得し、日系人の地位は高まった。国内各地に道場が建ち、いまや有力選手の大半が非日系人となっても、「貴重なメダル獲得の源流にある日本の功績は大きい」といわれている。

 水泳や体操、バスケットボールでもブラジルは力をつけてきた。これは年5%前後の成長を遂げている経済力と無縁ではない。たとえば水泳。公立校では通常、水泳の授業はないが、富裕層の子供が地元のクラブに入り、世界的な逸材に育っている。ブラジルはこの4、5年で低所得者層の4千万人が中産階級になった国だ。財力のあるスポンサー企業も次々と選手を支援するようになった。

 豊かになるとハングリー精神が薄れるとの指摘もある。ある日系人は「ブラジルのサッカーはまさに経済格差が生み出したスポーツ。人口が多く、格差があるため、逸材が輩出された」と語り、今後に不安を感じさせた。

 だが、これには逆の見方もあり、在ブラジル外交筋は「ブラジル人は豊かになり、いろんなことができると思うようになった。消費も教育もだ。頑張れば、生活が良くなると信じている。日本の1970年代のようだ」と話す。

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 国民が自信を持ち、国も世界で存在感を増す-。「ブラジル新世紀」の下で行うリオ五輪は国威発揚の場となるだろう。南米初の五輪は「南米のリーダー」を自負するブラジルには絶好の機会であり、成功すれば、大国の仲間入りを果たす原動力になる。

 その機会を手にするまで、世界的に影が薄かったブラジル外交も奮闘した。在ブラジル外交筋によると、ブラジルは前政権時代から、第三国外交やアフリカ外交、さらには南米左翼政権との関係緊密化を進めたという。その成果として五輪開催が実現した。

 背景にあるのがブラジルの政治戦略だ。「五輪を運営する財力と能力を世界に示し、スポーツでも世界に名を売る。その先に国連の常任理事国入りを狙う」。他方で、アルゼンチンやチリはリオ五輪を横目にブラジルへの対抗意識を燃やせば、地域情勢にも影響が出るかもしれない。

 そうした情勢にあってW杯から五輪へ、スポーツをバネにブラジルはどう大国に成長していくのか。まずは、「サッカー大国」として、成熟しつつある社会を基盤に、どのようなW杯を世界に見せてくれるのかが焦点となりそうだ。(ニューヨーク 黒沢潤)

http://sankei.jp.msn.com/world/news/120812/amr12081215320001-n1.htm