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ジャジーな1枚(90) ジョイス・モレーノ

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ボサノヴァの女王ジョイス・モレーナが約1年半振りにニューアルバムを出したとのことです。これは良さそうですねー、聴いてみたいところ…^^

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■ジャジーな1枚(90) ジョイス・モレーノ

 ブラジルの音楽を代表するボサノヴァの女王、ジョイス・モレーノのニューアルバム「トゥード」=写真=が出た。ジョイスファンにとっては、昨年8月にリリースされた、ギターの弾き語りによるソロアルバム「リオ」から約1年ぶりの朗報ということになる。

 ポルトガル語はよく、いや、ぜんぜん分からないので、CDをかけながら手放せないのは訳詞である。冒頭の「ジョアンが聴きたくて」は、こんな歌だ。

〈金曜日になると若い子たちはみんな、サンバを聴いたり踊ったりしたくなるので、どこへいっても騒々しい。ロックやメタル、ファンクにレゲエと、どれもこれも脳天にがんがん響くだけで、何ひとつよい音楽に巡り合えない。私はね、ジョアン・ジルベルトが聴きたいだけなのよ〉

作詞は大御所のパウロ・セーザル・ピニェイロ。うーん、ボサノヴァ通だったら、ジョアンだけですぐにピンとくる歌ではないか。こっちもジョアンが聴きたくなった。「想いあふれて」「フェリシダーヂ」「イパネマの娘」ほかいろいろあってみんないい。

 ジャーナリストで詩人のネルソン・モッタと共作した「エスタード・ヂ・グラッサ」は、恋をしている者ならだれもがうなずく恋の歌だ。〈あなたのいない時間は、その1分1分が苦しみで、あなたといる時間は、その1分1分が喜び〉なんていってみたいし、いわれてみたい。まあ、そうした精神的高揚の状態がいつまで続くかは神のみぞ知るところだが、情熱の国ブラジルでの持続時間はさぞかし長いのだろう。ジョイスは情感たっぷりに歌い上げている。

 「純金」は、サンバを魔法、純金にたとえて賛美した歌だ。作詞作曲ともにジョイス。ブラジルでは毎年12月2日をサンバの日と定めて、国内でも多くのイベントが開かれるという。〈サンバは世界を手に入れる。革命を起こし、降り積もったこの埃を払い、サロンに生えたカビを拭き取って、未来を見据える〉と、もろ手を挙げての大絶賛だ。きいているうちに、だれもがサンバを好きになって、腰をくねらせて踊り出しそうだ。

 そのほか「ボイオウ」「私のなかの歌たち」「クロードとモーリス」、楽器演奏だけの「トリンゲリンゲ」など、ジョイスだけのオリジナル全8曲と、作曲だけジョイスが手がけた全5曲の合わせて13曲が収録されている。

 表題となった最終曲の「トゥード」は、これもジョイス作詞作曲のオリジナルだが、「すべて」を意味している。「全力で」にも通じるこの言葉は大切だ。片手間でやってはいけない、ということなのか。それとも、真剣になればなるほどすべてが躍動するということなのか。最後には〈すべては、ひとつの歌〉で締めくくる。小手先だけの技術で世の中を渡ろうとしたり、苦労は他人に負わせるのが上手な生き方だなんて思い込んでいたりする輩が跋扈(ばっこ)する社会で、改めて「すべて」の持つ力のすばらしさをかみしめながら、この曲を聴いてみたい。(宝田茂樹)

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http://sankei.jp.msn.com/entertainments/news/120812/ent12081212010006-n1.htm