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ブラジル銀行 リカルド・ゴヤ名古屋支店長

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7月に着任されたバンコドブラジルの名古屋支店長のインタビューです。日系企業のブラジルへの進出は、トヨタ周辺の製造業を中心として、東海地域でも活発になっているようですね。

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■ブラジル銀行 リカルド・ゴヤ名古屋支店長

●進出意欲高い日本企業 現地情報を収集し支援 商機はインフラ分野

【地球の裏側同士の日本とブラジル。40年間、金融の懸け橋をつとめてきた】

 ――7月にブラジル銀行の名古屋支店長に着任しました。名古屋のイメージは。

 「小さな地方都市と思っていたが、地下鉄も発達している大都市だったので驚いた。日本のJリーグの一部試合はブラジルでも放映されており、サッカーチームの名古屋グランパスは知っていた」

 「経済面ではトヨタ自動車の印象しかなかったが、来日後は、自動車のほか、航空機関連など様々な分野で優れた技術をもつ企業があることを知った。ぜひこれらの企業にブラジルに関心を持ってもらいたい」

 ――日本国内における名古屋支店の役割は。

 「東海地区には、自動車産業を中心に出稼ぎで滞在しているブラジル人が多いため、名古屋支店の業務の9割は、彼らの本国への仕送りの送金や預金業務が占めている。名古屋支店は東海地区だけでなく、関西から九州まで西日本全体もカバーしている」

 ――2008年秋のリーマン・ショックの影響は、尾を引いているのでしょうか。

 「直後からしばらくは東海地方で働いていたブラジル人の多くが職を失って帰国してしまい、名古屋支店の海外送金などの取引量も減った。しかし、昨年末ごろからは自動車関連などでブラジル人の求人が増えてきて、取引量の減少に歯止めがかかってきた」

 ――最近は、日本企業相手の取引も増えているそうですね。

 「アジアの次の成長市場として、ブラジル進出に意欲を見せる中堅企業が目立つ。トヨタがブラジルでの生産を本格化させたこともあり、ブラジルへの投資を検討するトヨタの下請けや孫請け企業も増えている。2年後のサッカーW杯や4年後のリオデジャネイロ五輪を控え、大規模なインフラ整備に期待を示す企業も多い」

 「ただ、ブラジルの税制や労働法制は複雑で、リスクと考える企業が多いのも事実。既に進出している日系企業に聞くなど、万全な準備と計画が必要だ。ブラジル銀行でも昨夏、現地での投資やビジネスに関する情報を日本やアジア向けに収集分析する部署を本店に設けるなど、支援に乗り出している」

 ――地球のほぼ裏側にあるブラジルに日本企業が進出する利点は。

 「両国間の距離は進出にあたって最大の懸念材料だった。だが、ブラジルは移民にルーツをもつ巨大な日系人コミュニティーがある世界有数の『親日国』。勤勉な日系ブラジル人への尊敬の念も強く、日本人は取引の際に他の外国人に比べて信用度が高い。現地では、建設や鉄道などのインフラ、航空、情報通信などの産業分野が遅れており、日本企業には十分、商機はあると思う」

 ――ただ、欧州債務危機などのあおりで、ブラジル景気にも減速感が出ています。

 「行内の予測ではブラジルの国内総生産(GDP)の実質成長率は今年は1・9%に落ち込むものの、13~15年はいずれも4%程度まで回復すると見込んでいる。一時的に減速するだろうが、グローバルにみれば天然資源の輸出大国で、政府も内需促進策をとっている。来年以降は成長が加速すると考えている」

《リカルド・ゴヤ》
 ブラジル・サンパウロ州ソロカバ市出身。祖父が沖縄県出身で、日系3世にあたる。1987年にブラジル銀行に入り、国際業務などを担当。今年7月に初めて来日し、現職に。43歳。

《ブラジル銀行》
 ブラジリアに本店を置くブラジル最初の銀行。総資産では国内最大の銀行。日本には1972年に進出。出入国管理法改正で在日ブラジル人が急増した90年以降、全国に店舗網を拡大。現在は東京都、名古屋市、浜松市、群馬県太田市の4支店のほか、岐阜県美濃加茂市、茨城県常総市、長野県上田市の3出張所がある。

【記者の視点】
●W杯・五輪開催 経済の変化に注目
 インタビューする前、「ナゴヤのゴヤさん」の語呂に感心しつつ、何となく沖縄県にありそうな姓だなと思っていた。
 実際に会うと、アジア人らしくない目鼻立ち、話すのはポルトガル語。ところが、「私の祖父は沖縄出身です」とゴヤさん。
 人は見かけによらないということと、100年以上も前に海を渡った日本人が築いた日系ブラジル人の裾野の広さを痛感した。
 現在、ブラジルにいる日系人は推定150万人とされる。8月、サンパウロに2週間出張したが、街角で日系と思われる人にすれ違うこともしばしば。「異国」にいながらもほっとする瞬間だった。
 東海地方は、日本の中でもとりわけ多くの在日ブラジル人が暮らしている。身近な存在だけに、W杯や五輪でブラジル経済がどう変わっていくのかに、これからも注目していきたい。(若松潤)

http://mytown.asahi.com/aichi/news.php?k_id=24000781209030003