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「近くの他人」より「遠くの親日国」を生かせ 日本企業は今こそブラジルの「片思い」に応えよう

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日経ビジネスさんも、こんな記事書くんですね。正直驚きました、というか、ちょっとショックでした。。。
・最近では、「ユニクロ」がサンパウロに出店している
・日本の大発明品である温水洗浄便座。これがブラジルでも大ヒットしている
ん?そうなんでしたっけ?少なくとも僕は、いずれも聞いた事はないですが。。。僕が知らないだけ、ですかね???
そして、ブラジル人から受け入れられているラーメン屋は、ラーメンKAZUよりもASUKAな気もしたり…

ま、批判めいた話は置いておいたとして、この記事でおそらく伝えたかったであろう「ブラジルは親日国だから、日系企業はもっと積極的に進出してもいいんじゃないの?」というメッセージには同意です。
しかしいかんせん、なんだか一気に信頼を失った印象です。。。ガッカリだなぁ、日経ビジネスさん。。。

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■「近くの他人」より「遠くの親日国」を生かせ 日本企業は今こそブラジルの「片思い」に応えよう

 ロンドンオリンピックの熱狂は終わった。4年後の2016年、次の夏季オリンピックはブラジル・リオデジャネイロで開催される。ロンドンオリンピックの閉会式でもブラジルのサンバが印象的だった。

 ただ、「ブラジルのイメージは」と問われても「アマゾンのジャングル」「サッカー」「リオのカーニバル」「ボサノバ」といったステレオタイプなものしか思いつかないのも事実だろう。経済については、BRICsの一角、新興国の雄としてこの10年ほど話題に上ることは増えたものの、日本からほど近い中国や東南アジア諸国の新興国と比べると、やはり具体的なイメージがつかみにくいようだ。その印象を日本の企業人に聞いても「まだまだ貧しい国、治安の悪い国」というイメージで語られることも多い。そもそもブラジルがどんな国なのか、想像すらつかないとう声も聞く。

 実は私も、仕事で南米を訪れるまではそんな漠然としたイメージしか持っていなかった。しかし、実際に街を訪れてみて驚いた。サンパウロなどの大都市を歩くと、想像以上に先進国のような街並みが広がっている。ブラジルの一大ビジネスストリート、片側4車線のパウリスタ大通りには高層ビルが林立している。ブラジルを代表する企業や日系、欧米の外資系企業などをはじめ、大型高級ホテルも立ち並ぶ。その光景はニューヨークのマンハッタンを歩いているかのような錯覚を覚えるほどだ。

●エグゼクティブたちは摩天楼の間をヘリで移動

 サンパウロの路上でふと頭上を見上げると、たくさんのヘリコプターが行き交っている。

 ヘリコプターと言われて思いつくのは、救急ヘリかメディアの取材ぐらい。それ以外では、「バブル時代にはヘリでゴルフ場行ったわ」と昔を懐かしむ人たちや、「プロポーズや誕生日のお祝いのサプライズ演出用」に代表される「極めて特別なもの」というイメージしかなかった。だが、サンパウロでは違った。

 ある日の仕事中に、現地のチームメンバーから「交通渋滞でオフィスからサンパウロ北東部まで2時間くらいかかりますが、どうします? 距離は10キロもないのですが」と聞かれたことがあった。「そんなにかかるのか。困ったな」とつぶやいたところ 、「ヘリなら15分位でいけますから、手配しましょうか?」と言われた。その気軽さに驚いたが、同僚は平然と 「エグゼクティブなどがヘリを使うのは普通ですよ。タクシーのように安くはありませんが、まあちょっとしたリムジンみたいなものですね」と答え、筆者は呆気に取られた。

 実際、サンパウロは世界一ヘリポートの多い街と言われる。その数、400以上。ヘリコプター数も400機を超え、ニューヨークと同程度かそれ以上と言われる。悪化の一途をたどるブラジルの交通渋滞は有名で、わずか数キロ先まで移動するのに、数時間かかることも珍しくない。例えば、サンパウロ市内から国内空港までは普通なら30分だが、雨が降ると3時間かかるケースもある。

 さらに国際空港までとなると、通常1時間程度の移動が、4~5時間かかることもあるという。このような交通渋滞の問題に加え、ブラジルでは治安の問題もある。そこで、「重要なミーティングがあり、時間がもったいない」といった感覚で、ヘリコプターがエグゼクティブの日常の移動手段になっている。今では空の交通渋滞も話題に上るほどだ。

 もちろん、利用するのは富裕層やビジネス層である。しかし、このヘリコプターの事例からも分かる通り、少し前の発展途上国はもちろん、他の先進国にもない様々な潜在ニーズがこの国にはまだまだ眠っている。

 ブラジルには相続税がないので、昔の大地主は今でも富豪だ。娘の誕生日にプライベートジェット機を贈ったケースもあると聞いた。まるでハリウッド映画のような世界だ。頻繁にあるケースは思えないが、これは現実の話である。かつての発展途上国、未完の大国と言われた時代からは想像できないスピードで成長しているのだ。

●アマゾン地域ナンバーワンスーパーの正体

 ブラジルを始めとする南米各国は、日本から遠く離れていることもあり、日本企業の海外戦略の中でも中国や東南アジアに比べて「後回し」にされがちである。さらに最近ではブラジル経済が失速気味なため、南米での事業拡大に躊躇する企業もあるかもしれない。しかし、それは非常にもったいないことだ。

 大河アマゾンの河口に位置するブラジル北東部バラー州の州都、ベレン。人口約130万人のブラジル第10位の都市だ。日系人も居住しており、日本の総領事館もある。日系移民は主に船のロープ用のジュート加工などの労働からスタートし、この地で大きな経済的・社会的地位を築いてきた歴史がある。

 ベレンを訪れる際に、 空港を出て最初に目に飛び込んでくるのは、「Y.YAMADA」と書かれた大きな看板だ。このY.YAMADAはブラジル北東部で絶大な支持を集めるスーパーマーケットチェーンである。ブラジルで多くの店舗を持つ仏カルフールや、現地資本の大手チェーン、ボンデアスーカルなども苦戦を強いられるほどの、圧倒的な市場支配力をもっている。ブラジル北東部でY.YAMADAの名を知らない人は、いないのではないだろうか。

●日系移民が勝ち得た日本に対する厚い信頼

 Y.YAMADAのオーナーは日系のフェルナンド山田氏。ブラジルスーパーマーケット協会の副会頭も務めたことがある事業家だ。

 Y.YAMADA社は小さな農機具販売業からスタートし、「勤勉・誠実」をモットーに成長を続けてきた。同社の成長の秘訣は庶民を重視した経営理念と言われている。富裕層などの社会的強者ではなく、ブラジルで圧倒的多数を占める庶民を信頼し、彼らのためのサービスを提供してきた。こうした姿勢が顧客からの絶大な支持へとつながり、Y.YAMADAはアマゾンナンバーワンのスーパーマーケットチェーンの地位を築くことができた。

 ペトロブラス前日本副代表で国際協力銀行リオデジャネイロ元首席駐在員の相川武利氏は「Y.YAMADAは少量多品種型の日本型のスーパーであり、欧米型の巨大資本とは異なるビジネスモデル。日本では知る人は少ないが、日本流のサービス基準や商売の方法がブラジルで成功した好例と言えるのではないだろうか」と話す。

 Y.YAMADAのフェルナンド山田氏だけでなく、医師・弁護士を始めとして、政財界の要職に就いている日系人は多く、ブラジルは日系移民とその子孫が世界最大規模で居住している国だ。比率で見れば総人口の1%を占める程度だが、政治・経済面を中心に社会の上層部に人材を輩出している。 彼らの功績もあって、ブラジル人の日本に対する信頼は厚く、大変な親日国としても知られる。日系移民が長年の努力で勝ち得た信頼がベースになっているのだろう。

 例えば、日系ブラジル人のウエキ・シゲアキ氏。日系2世として1970年代にブラジルの鉱山エネルギー大臣を勤め、エネルギーメジャーのペトロブラス総裁などを歴任。ウエキ氏は日系人として、日本の強み・弱みを熟知しており、オイルショック時には、日本の商社に対応策を学び危機を乗り切ったという逸話も残っている。

 このように、ブラジルには数多くの日系人を通じて、日本の歴史や日本をモデルとしたやり方が各所に残っている。親日度の高さもあって、日系企業の進出も徐々に進んでいる。最近では、「ユニクロ」がサンパウロに出店している。相川氏は「日系移民への信用が歴史的に築かれてきた国であり、日本品質への神話もまだ残っているのだろう」と分析する。ブラジルが長い政府系金融機関の駐在員もこう言う。「ブラジルは日本に対して親近感があり、こんなにも仕事がやりやすいとは思わなかった。日本ブランドがこれだけ通用する国も珍しいのでは。本当に親日的で、人種差別という概念が極めて少ないように思う。日系移民で成功した方も多く、日本人というだけで好印象を持たれるケースも多い」。

●「ブラジルでは日本人がモテるんです」

 さらにこの駐在員は笑いながらこう続けてくれた。「しかもここではモテるんですよね。ブラジル駐在で日本に帰国したい人がいるのか、と思うくらい」。

  日本のサービスや製品などを参考にしたビジネスも増えてきた。例えば、日本の大発明品である温水洗浄便座。これがブラジルでも大ヒットしている。ただ、現地企業の製品は「的外れに噴射」されることもあり、こんなところで日本クオリティの高さを再認識するのだが。

 これは、日本の商品・サービスが十分通用するという良い例ではないだろうか。もしも日系企業が、品質の高い製品やサービスを持ち込めば、商機は十分にあるはずだ。

 実際、私が現地でブラジル人達と仕事をしていた時もチームメンバーに日系人がおり、日本への愛着心を強く感じた。「日本ブランドへの関心がまだ残っている市場だ」と実感できる出来事は多かった。例えば、日本のテレビ番組もオンエアされている。サッカーの話をしていても、Jリーグのことが頻繁に話題に上る。

 何よりも、日本食の人気は絶大だ。ランチとなると頻繁に日本食に連れて行かれる。こちらとしては、「ブラジルに来てまで、日本食か…」と思うのだが、これは私が日本人だからではなく、寿司や焼き鳥を始め、日本食が現地に完全に根付いているからである。健康志向で肉体美こそオシャレという価値観があるブラジルだ。「日本食=ヘルシー=カッコいい」という発想は分からなくはないし、寿司や天ぷらは世界中で人気だからそれほど驚きはしない。だがラーメン店が連日、大人気という話は意外だった。

 特に有名なのが、ラーメン店「KAZU(和)」。貿易などを手がけるヤマト商事という企業がオーナーである。もともとブラジルにもラーメン屋はあったのだが、運営は華僑系などで、見よう見まねでやっていたのが実態だった。これはブラジルだけでなくフランスやイギリスでも見られる現象だ。

 これに対し、KAZUは日本から麺・味噌・タレを冷凍輸入で持ち込み、日本のラーメン店で修行した日系人が店長を務め、日本レベルのクオリティで営業したところ、爆発的なヒットを呼んだ。行列で1時間近く待たなければならないこともあるほどだ。

 近年、世界の各国で躍進し、日本製品に取って代わっている韓国製品も、年配のブラジル人から言えばまだ「新興」の製品だそうだ。ブラジルには「日本製は壊れない」という神話が今も残っている。トヨタ自動車の「カローラ」は、ブラジルの高関税もあって現地では500万円以上する高級車だが、その性能や耐久性は現地でも日本製品の代表ブランドとして語られることも多い。

●「高い親日度」というアドバンテージを生かせ

 この環境を考えると、ブラジルには日本企業にとって大きなチャンスが数多く残されているように見える。世界で親日的な国といえば、台湾やトルコなどがあるが、ブラジルは とりわけ日本に愛着を持ってくれている国であり、日本企業にとっては大きなアドバンテージがあると考えてもよいだろう。

 日本企業が成長機会を得る上で、中国や東南アジアといった国々に力を入れるのは当然のことだ。だが、距離だけではなく「親日度」を軸に戦略を立てても良いのではないかと考える。

 では、こうしたブラジルのラブコールに対し、これまで日本企業は十分に応えてきたと言えるだろうか。日本はブラジルから「片思い」されているといってもよいかもしれない。

 次回は、ブラジルのラブコールに応えられていない日本企業の姿と、ネックとなっているポイントについてレポートしたい。

http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20120904/236355/