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ブラジルのメロドラマでわかる、急成長する中産階級

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なんと、GloboはABCに次ぐ世界第2位のTVネットワークだったんですね、知りませんでした。そして今放映中のノヴェーラへの考察、興味深いですね^^

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■ブラジルのメロドラマでわかる、急成長する中産階級

 南米では、メロドラマは大人気だ。南米で面積でも経済規模でも最大のブラジルでは、経済の急成長の鏡となっている。

「Cクラス」と呼ばれる新しいブラジルの中産階級は、彼らの好みや文化でひと儲けしようと考えるスポンサー企業やメロドラマ作家のターゲットになりつつある。

この現象は、ブラジルの国民的メロドラマ、グロボTVの「アヴェニダ・ブラジル(Avenida Brasil)」でも明らかだ(グロボTV自体、ブラジルの急成長を反映し、米ABCに次ぐ世界第2位のTVネットワークになっている)。ゴールデンタイムに放映されるこのドラマは、前例のない試みとして、リオデジャネイロ郊外に住む新しい中産階級の姿を忠実に映し出して非常に長寿な番組となっている。

これまでのメロドラマは、ブラジルの上流階級(今はやりのAからEまでのランク付けによればAクラスやBクラス)が住むリオやサンパウロのこじゃれた界隈を舞台にしてきた。しかし、ブラジルの新しい消費経済の中核を担うのはCクラスの人々となってきており、ドラマもこの層の生活に注目するようになったわけである。

アヴェニダ・ブラジルの主なストーリーは、幼くして悪い継母のカルミナ(Carminha)とその愛人マックス(Max)に父を死に追いやられ、ゴミ捨て場に捨てられたニーナ(リタ)(Nina/Rita)が、執拗に復讐を試みるというものだ。成長して戻ったニーナは、郊外に暮らす裕福な元サッカー選手で、カルミナの夫となっているトゥファン(Tufão)の豪邸に料理人として雇われる。

このドラマは非常な人気で、サンパウロ地区だけでも全テレビの65%が、番組のどこかでアヴェニダ・ブラジルにチャンネルを合わせたことになるという。

これが新興層に触手を伸ばしたいと鵜の目鷹の目の企業の目を引かないわけがない。その証拠に、TVといわず携帯電話といわず冷蔵庫といわず、コマーシャルは延々と続くのだ。

「ブラジルのメロドラマには70年代、80年代から郊外の人々が登場してきましたが、今回新しいのは、メイン局が『新興中産階級』つまり『Cクラス』に大きく焦点を当てていることです。この階層はルーラ政権のころから経済的に豊かになってきた人々で、今消費が伸びているのです」とサンパウロ大学の人類学教授エロイサ・バルケ・デ・アルメイダ(Heloisa Buarque de Almeida)氏は言う。

●月収875ドルの中産階級

確かに米欧の同じ層に比べれば、ブラジルのCクラスの所得は、絶対値としてはそれほど多くはない。しかし発展途上の国の中では、中の上の家庭の平均収入が1,750レアル(875ドル)という彼らは、可処分所得を残すに十分な収入を得ているのだ。

また、急速に発展するブラジル経済に群がっている広告企業を引き付けるにも十分だ。アルメイダ教授によれば、「80年代、90年代には、企業はAクラス、Bクラスといった上流階級に焦点を絞っていました。より大衆的な階層がかなりの消費をしていることに彼らが気付いたのは、かなり最近のことです。『アヴェニダ・ブラジル』が貧しい階層から中流に成り上がった人々を題材にしているのはそういうわけなのです」。

サンパウロ大学の経営学教授、ホセ・アフォンソ・マゾン氏は、この階層の流動性の研究を続けてきており、2013年前期にInternational Journal of Research in Marketing 誌上で、デューク大学のワグナー・カマクラ教授と共著で研究成果を発表する予定になっている。「新興経済における社会階層」というタイトルのこの研究で、教授らはブラジルの全社会階層の消費パターンを調査した。マゾン教授によれば、可処分所得が顕著に増加したのは2003年からで、これは当時のルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルヴァ大統領が『ボルサ・ファミリア』という貧困家庭への所得移転プログラムを大幅に拡大したのと同じ年に当たるという。

「2003年以降、Cクラスの人々の消費パターンが大きく変わったことが分かりました。ボルサ・ファミリア政策によって基本的な生活費以上のものを消費できるようになったのです。最低賃金がインフレ率以上に毎年上がったことも、より低い階層の人々が外食や旅行、より多くの肉や魚、個人的な美容などにお金を使うことに拍車をかけました」とマゾン教授は説明する。

マゾン教授は今、1400万の世帯、つまり1世帯4人とすると5600万人、ブラジル人の3人に1人がこの階層に属すると考えている。これに対し教授の評価では、Aクラス、Bクラスに属する人はブラジル人全体の4分の1であり、これも手伝って広告企業がCクラスに注目する結果となっている。

●言語、音楽、ファッション

しかし、アヴェニダ・ブラジルはこの新興中産階級を映し出しているばかりではない。印象的なサウンドトラックや登場人物が身に着けている宝飾品まで、この番組は大衆文化にも影響を与えている。

しかし宝石や社会的階層の移動では、気品は買えない。制作側も心得ており、アヴェニダ・ブラジルの登場人物たちは、小金は持っていてもやや洗練さに欠ける。ディレクターの1人は最近、フォルハ・デ・サンパウロ紙の取材に対し、「郊外の人々がどんなふうに話すかを研究して、トゥファン家の人々役の俳優たちに同じように話すように指示しました。食事のシーンで、全ての人物が同時に、重なり合うように、わめくようにしゃべってほしいと言ったのです」と述べた。

ドラマの主題歌「ダンサ・コム・トゥード」は、ロブソン・マウラ(Robson Moura)という比較的無名の作詞家の作品だが、大ヒットとなった。ソーシャルメディアのユーザーたちは出だしの「オイ、オイ、オイ」というフレーズを、ツイッターでこの番組についてつぶやくときに使っている。

コスチュームジュエリーの世界でも、アヴェニダ・ブラジルは影響力を持っており、カルミナをはじめとする登場人物たちの身に着けるブレスレットやネックレスが全国的なヒットとなっている。

「スエレンというキャラクターのロングイヤリングは長いこと売れ筋だし、カルミナが身に着けている聖人のメダルネックレスは、店のほかの商品よりちょっと高めなんだけど、売り切れよ」と、ブラジリアのマーケットに勤めて5年というアナは言う。

しかし経済的な意味はさておき、アヴェニダ・ブラジルは、ラテンアメリカの新しいイメージだ。陰謀と情念に満ちたメロドラマで欠かせない残酷な継母は、皆の憎悪を集めることになる。これにも経済的な意味がある。ブレスレットを売るミレナによれば、カルミナのアクセサリーがなぜ他の登場人物ほど売れないのかについて、「彼女は悪役だからね」と述べた。

http://jp.ibtimes.com/articles/35133/20120917/202530.htm