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高インフレに悩むブラジルの 中央銀行が賃上げストの怪


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日本とブラジルは「全く逆だなあ」と大笑いされるような位置関係だそうです。インフレ国とデフレ国、まぁ確かに正反対ですね。季節も、事項も、経済も、全てが正反対。面白い。

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■高インフレに悩むブラジルの 中央銀行が賃上げストの怪

 民間の年間平均給与の推移を見てみよう(国税庁調べ)。バブル経済前夜の1986年は362.6万円だったが、バブルピーク期の90年には425.2万円に上昇した。その後、経済は下降線をたどるが、平均給与は97年に過去最高の467.3万円を記録。そこから下落トレンドに入り、昨年は409万円だった。名目では88年並み、消費者物価上昇率を勘案した実質では80年代半ば並みの水準だ。1000万円超の給与所得者は97年の263万人から、昨年は178万人に減った。

 また、官民格差是正と財政再建の観点から、公務員の給与も引き下げが続いている。多くの国民の給与が下がり、先行き増えていく期待も持てず、かつゼロ%近辺まで引き下げられた政策金利が消費、投資を喚起しない環境の中で、日銀がデフレを、適度なインフレに転換させることは、一般的には容易ではないと考えられる。

 一方、インフレ率が5%を超えているブラジルを見てみると、インフレ目標は4.5%。インフレ率がそれを上回ってきた主因は、高い賃金の伸びにある。

 ブラジル政府は国民の所得水準向上に非常に熱心で、大幅な最低賃金の引き上げが毎年行われてきた。同上昇率は、2年前の実質GDP成長率に、前年のインフレ率を加えるという計算式で決定される。今年はなんと14%だ(2010年の成長率7.5%、11年のインフレ率6.5%)。

 中高所得の人々の賃金は最低賃金に直接連動しないが、賃金交渉の際の参考指標にはなる。このため、先進国に比べはるかに大きい賃上げが毎年行われてきた。所得が増えれば人々は消費を増やすので、企業の価格決定力は高まり、値上げが起きる。それで企業の収益が向上すれば、賃上げが生じる、というスパイラルが発生する(今の日本にはそれがない)。

 日本から見ればブラジルの賃金は毎年十分伸びているように思えるが、それでも民間も公務員も更なる賃上げを目指して激しいストライキを行っている。ブラジル中央銀行の職員も8月に24%の賃上げを要求してストを敢行した。新聞は「インフレ低下がこの機関の役目なのに、職員は大幅賃上げを要求している」と皮肉っていた。

 ストの後にブラジル中央銀行を訪ねた。スタッフに、「ブラジルでは、公務員までもが賃上げを求めてストを行う中で中央銀行はインフレ率を低下させようとしている。一方、日本では公務員も日銀職員も賃下げが続いている中で中央銀行はデフレから脱却しようとしている」と話したところ、「全く逆だなあ」と大笑いされた。

http://diamond.jp/articles/-/26359