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スラム掃討「まるで戦場」 W杯・五輪控えるブラジル・リオ、治安改善躍起


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W杯・五輪に向けて、少しでも治安を改善させようという努力が伺い知れます。が、ここにもあるように焼け石に水な感じも否めなくもないですね。まぁやらないよりは良いですが…

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■スラム掃討「まるで戦場」 W杯・五輪控えるブラジル・リオ、治安改善躍起

 2014年のサッカーW杯、16年の五輪開催を控えるブラジルのリオデジャネイロで10月14日、「ファベーラ」と呼ばれるスラム街の治安改善を図る大規模な掃討作戦が展開された。ブラジル海軍の精鋭部隊や警察官ら約2000人に加え、装甲車や戦闘ヘリも投入。数十人を逮捕し、多数の自動小銃や拳銃、手榴(しゅりゅう)弾を押収した。ファベーラは殺人・強盗や麻薬取引などの凶悪・組織犯罪の温床となっており、当局はビッグイベントに向け犯罪撲滅に躍起だ。ただ、ファベーラはリオだけで約1000カ所もあり、“焼け石の水”との声も出ている。

 「殺人や自動車盗難、強盗などの減少につながる一歩だ。市民はより平和的な生活を送れるようになるだろう」

 リオのセルジオ・カブラル州知事(49)は、掃討作戦を受け、こう胸を張った。

●装甲車・ヘリも投入

 英BBC放送やフランス通信(AFP)などによると、作戦は約6万人が住む「ジャカレジンホ」とかつて空港があった「マンギンホス」で午前5時から開始された。

 「UPP(警察治安維持部隊)」と呼ばれる精鋭が、8つのグループに分かれて潜入。不法占拠の小屋がひしめき、路地が入り込んだファベーラを捜索した。地上では装甲車が、上空ではヘリが警戒に当たり、一帯は戦場さながらの様相となった。

 住人たちは作戦展開中の兵士らの姿を窓から悲しげに見詰めていた。この日の作戦で死傷者は出なかったが、13日の作戦では、麻薬密売の容疑者5人が死亡したという。

 ファベーラの掃討作戦は08年から行われ、これまで30カ所で実施された。10年には銃撃戦で30人以上の死者が出る惨事が起きており、現在は当局が数日前に作戦の実行を予告しているという。

 今回の作戦が行われたのは、リオの中心街から約10キロ離れた場所にある小規模なフェベーラだが、組織犯罪や麻薬取引の中心地になっていた。当局は、W杯までにさらに40カ所の制圧を目指している。

●追い付かない犯罪摘発

 ただ、リオでは約1000カ所あるファベーラに、「カリオカ(リオっ子の愛称)」の5分の1の約126万人が住んでおり、犯罪摘発が追い付かないのが実情だ。

 AFPが伝えたサンパウロ連邦大学の調査によると、ブラジルは世界のクラック・コカイン(たばこで吸引できる状態に加工した塊)の消費量の20%を占める巨大市場を形成。成人の4%に当たる約600万人が違法薬物に手を染めているという。

 ブラジルは豊富な天然資源などを背景に高い経済成長を実現。W杯と五輪をテコに「大国」への飛躍を狙っており、ファベーラの一掃が優先課題になっている。成長の恩恵で貧困層の生活水準も向上し、治安も徐々に改善。ファベーラでは、外国人観光客向けに宿屋に泊まるツアーが行われ、人気を呼んでいる。

 ただ、ここにきて世界的な経済危機が波及し、ブラジル経済も失速。景気の悪化で再び貧困層が増え、ファベーラが増殖する懸念も拭えない。「治安改善にはファベーラ掃討よりも、景気回復が先だ」との声が高まりそうだ。

http://www.sankeibiz.jp/macro/news/121021/mcb1210211630009-n1.htm