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ブラジル・リオ スラム街対策本腰 安全、世界にアピール


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連載シリーズの2つ目。ファベーラの治安が改善されつつあること、そしてW杯・五輪のイベント後のスタジアムの扱いに関する課題は、日本と同様であること、など、良い面も課題面も語られています。まぁ課題は確かに多いものの、持ち前のポジティブシンキングで、ぜひ突破して欲しいところですね。

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■ブラジル・リオ スラム街対策本腰 安全、世界にアピール

【威信をかける王国】(中)ブラジルはいま

 日中は制服姿の子供たちが笑顔で登下校し、夜には人いきれのする屋台風の食堂から談笑する声が聞こえてくる。観光客の姿もある。リオデジャネイロ中心部のバビロニア地区。ファベーラと呼ばれるスラム街で、数年前までは麻薬取引や組織犯罪の温床とされ、事情をよく知る住民を除けば、夜間に1人で外出できる場所ではなかった。

 ■スラム街対策本腰

 2014年のワールドカップ(W杯)、16年の夏季五輪に向け、ブラジル政府は治安向上に躍起となっている。南米最大規模のファベーラで10万人が生活しているとされるロシーニャ地区など約30カ所で08年以降、掃討作戦を実施。戦闘ヘリなども投入した大規模な作戦は銃撃戦にもなって、30人以上の死者が出る惨事も起きている。

 それでも、バビロニア地区は08年に警察署ができ、24時間体制で警察官が駐在するようになって治安が一気に良くなった。伊藤大輔、悠子夫妻は同地区で1歳に満たない長女を育てながら、観光客向けの宿を経営する。名所のコパカバーナ海岸からも近く、安全が確保されたことで土地の価格も急上昇。自宅を貸し出し、その収入で生活する人もいるという。

 だが、外務省によると、リオデジャネイロ州の殺人事件の発生件数は日本の約4・5倍と依然として高い。人口10万人に対する割合は約30倍にもなる。土壌となっているファベーラはリオデジャネイロだけで約1千カ所あるとされ、郊外には手つかずの場所も多く、政府のもくろみは焼け石に水との批判もある。伊藤大輔は「ブラジル人でもファベーラに来たことがないという人は多い。偏見はなかなか変わらない」と話す。

 ■運営課題は山積み

 2つの巨大イベントを前に競技場建設や交通インフラ整備の遅れ、ホテルの価格高騰など、治安以外にも課題は山積している。新改築が進む競技場では、イベント後の活用法が問題となりつつある。W杯組織委員会議長のホセ・マリア・マリンは「競技場は開催都市に大きな遺産を残してくれる」と語るが、その遺産は“負”ともなり得る。

 プロクラブが継続的に使用することが正式に決まっているのは、サンパウロで新築中の競技場のみ。日本でも02年W杯日韓大会のため、270億円をかけて建設した宮城スタジアムが2億円以上の年間維持費がかかることが問題視されてきた。

 スポーツ省大臣補佐のジョエル・フェルナンド・ベニンは「サッカー以外のスポーツや音楽イベントなどでも活用するため、政府と代理店、多国籍企業で交渉している」とした上で、「懸念材料はあるが、雇用増大やインフラ拡充など、イベントがブラジルにとって大きなチャンスとなることは間違いない」と語る。

 直近のW杯南アフリカ大会も治安やインフラが不安視されたが、結果的に30万人以上の外国人観戦客を呼び込んだ。大会を成功裏に終わらせるために、王国は運営面でも威信を示さなければならない。(敬称略)

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/sports/soccer/610558/