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回復が見えないブラジル経済


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日本人的な悲観思考と、ブラジル人的な楽観思考とが、なんだかすれ違っているような印象も、思わず感じてしまうブラジル経済の展望。どうなりますかね。個人的にはブラジル人的な楽観思考で、まぁ近々景気も回復に向かうよ、と思っておきたいところではありますが…

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■回復が見えないブラジル経済

●長く待ち望まれている景気回復は、いまだ見えてこない。

ブラジルのギド・マンテガ財務相は何カ月も前から、一向に訪れる兆しの見えない力強い成長が目前に迫っていると予測してきた。それでも11月30日に発表された第3四半期の統計は衝撃的だった。

政府に説得され、独立系エコノミストは、通貨安と利下げ、そして自動車と白物家電の売り上げにかかる工業製品税の引き下げが前期比1.2%増の健全な経済成長を生み出すと確信していた。ところが結局、第3四半期の成長率はわずか0.6%だった。また、国家統計局は、第2四半期の成長率の推計値も0.4%から0.2%に下方修正した。

●誰も信じなくなった「力強い景気回復」

マンテガ氏は統計値が「期待外れ」だったと認めつつも、経済はまもなく回復し、来年には4%、2014年には5%の成長が見込めると主張している。

もはやマンテガ氏を信じる人はほとんどいない。アナリストは成長予測を引き下げている(図参照)。精彩を欠いた昨年の2.7%成長を含めると、ブラジルの経済成長は過去10年余りで最低となっている。

最悪のサプライズは、事業コスト引き下げに向けた政府の努力も空しく、投資が落ち込んだことだ。

中央銀行は政策金利を2011年半ばの12.5%から過去最低となる7.25%まで引き下げ、国営銀行には利ざやを圧縮して融資を増やすよう圧力を掛けた。

外貨流入に対する課税と中央銀行による介入により、著しく強かった通貨レアルは2月以降およそ20%下落した。政府は製造業の給与税を引き下げたほか、電気料金の大幅な値下げを約束、民間セクターの手を借りて交通渋滞の緩和にも乗り出す。

こうした動きは、ブラジルのビジネスマンにとって夢のような話に思える。では、なぜ待ち望まれている投資ブームはやって来ないのか?

民間セクターに対する政府の高圧的なアプローチと敵対的な姿勢が、政府が呼び込みたいと考えていた当の投資家を遠ざけてしまったようだ。例えば、ブラジルの電気料金は世界で3番目に高く、長年、企業にとって悩みの種となってきた。

しかし、電気料金を2割引き下げるという政府の計画は頓挫する恐れがある。政府が電力会社の利益率を過大評価する一方で、前倒しの契約更新に必要な利益率を過小評価しているからだ。一部の電力会社は、契約を更新しないことを決めた。それが恐らく、現行の事業免許の失効時に免許を失うことを意味するにもかかわらず、だ。

大手国営企業のエレトロブラスは、少数株主の意向に反して政府の意向に従い、株価急落に見舞われた。「株主価値を破壊することがどうして投資の呼び込みにつながるのか理解できない」と野村証券のトニー・ヴォルポン氏は言う。

長年、新規雇用の主たる源泉だったサービス業も減速している。金融サービス業は、デフォルト(債務不履行)の増加と融資の減少、利益率の圧縮で手痛い打撃を受けた。

だが、景気減速はより広範囲に広がっている、と大学を運営するジェトゥリオ・ヴァルガス財団のシルビア・マトス氏は指摘する。中小企業の登記簡素化や融資拡大など、かつての生産性向上の源が一巡したと同氏は言う。

●高い人気を誇るルセフ大統領だが・・・

政府にとって唯一の朗報は、最近の実績よりはペースが鈍いとはいえ、家計の消費が今も拡大していることだ。

消費の拡大とインフレの制御は、ブラジルで政治的な支持を勝ち得る秘訣だ。実際、ジルマ・ルセフ大統領は高い人気を誇っている。世論調査では、回答者の4分の3以上がルセフ氏を「良い」もしくは「非常に良い」と評価している。

11月に行われたある調査では、回答者の26%が即座に2014年の大統領選の望ましい候補者としてルセフ氏の名前を挙げ、前大統領でルセフ氏の庇護者でもあるルイス・イナシオ・ルラ・ダ・シルバ氏を挙げた回答者を初めて上回った。

つい最近まで、ルセフ氏は2期目も当選確実と見られていた。だが、ルセフ氏の対抗馬となりそうな勢力は、ブラジル経済の継続的な弱さを裏づける統計を、大統領選のスタートを告げる号砲ととらえた。

●2014年の大統領選に向けて勢いづく野党

急成長を遂げる北東部のペルナムブコ州知事のエドゥアルド・カンポス氏は、潜在的な投資家を遠ざけないことの重要性について、いかにも指導的な政治家らしい発言を繰り返してきた。

最大野党・ブラジル社会民主党の市長らが集まった12月3日の会議は、ブラジルで3番目に裕福なミナス・ジェライス州の元知事で現上院議員のアエシオ・ネーベス氏を同党の次期党首かつ大統領候補とする緊急の即位式と化した。

その翌日、ネーベス氏は上院で、電力業界に対する政府の措置の「無謀さと愚かさ」について言及した。確かに、政府の要請に反発する電力会社の1社は、ミナス・ジェライス州が大株主のCEMIGだ。

だが、マンテガ氏が正しいことがついに証明され、近く成長が加速しない限り、経済はルセフ氏のライバルたちに格好の標的を与えることになるだろう。

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/36755