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焦点:ブラジル大統領の価格抑制策が裏目、投資促進に結び付かず


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裏目に出ているというジウマ大統領の政策。場当たり的でミクロ管理であるとのこと。まぁ確かに…というか、ジウマ大統領に限らず、過去も含めて、ブラジルはずっとそういうやり方で歩んできているような気もしますけどね。政治だけではなくビジネスの意思決定も含めて。となると、まぁしょうがないのかな、とも思えてきます…^^;

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■焦点:ブラジル大統領の価格抑制策が裏目、投資促進に結び付かず

[リオデジャネイロ/ブラジリア 18日 ロイター] ブラジルのルセフ大統領は約2年前の就任当時に「わが国経済のダイナミズムを阻み続けている障害を取り除く」と約束したが、最近の同国経済は停滞している。

大統領は確かに問題に取り組んでいるが、打ち出した一連の景気刺激策やコスト抑制策はどうやら結果が裏目に出ているもようだ。

約2年前のブラジルの成長率は7.5%だったが、過去1年半は足踏み状態に近く、ことし第3・四半期の成長率は前期比0.6%にとどまった。

大統領が打ち出した新規制の大半は、税制や運輸部門のボトルネックなど、他の主要国に比べてブラジルのビジネスコストを押し上げている「ブラジル・コスト」の削減を狙ったものだ。このコストを引き下げれば、景気が減速する前の消費主導型成長に代わり、設備投資を原動力とした経済を構築できるとの読みだった。

エコノミストによると、問題はアプローチにある。ルセフ大統領は包括的な改革で経済全体のコストを削減するのではなく、ばらばらの産業分野のコストを手当たり次第に攻撃する手法を選んだ。例えば厄介な税制や労働規制には切り込まず、ガソリンや電力の価格、銀行融資金利の抑制で手を打った。

CIBCワールド・マーケッツ(トロント)の中南米ストラテジスト、ジョン・ウェルチ氏は「全体的な計画が存在しない。矛盾に満ちた短期的措置を並べただけだ。経済成長が失望を誘っているのも不思議はない」と話す。

<場当たり的政策>

批判的な論者によると、これらの措置は非常に選別的なだけでなく、一部の経済分野を後退させている。政府の介入を警戒する企業が経費節減に動くからだ。

その結果は投資の拡大どころか、縮小だ。

ブラジルの投資規模はただでさえ、大半の大規模新興国に比べてはるかに小さい。国内総生産(GDP)に対する投資比率は中国の40%超に対し、ブラジルは20%弱。投資はさらに縮小し、過去5四半期連続で減少している。

大統領の側近や支持派は、大統領は実施可能な政策に的を絞っていると主張する。政権は多数政党の連立で、これ以上に深い改革は野党はおろか与党内でも支持を得にくいという。

大統領の採った措置はいずれも望ましからぬ結果を招いた。政府は電力会社に対し、水力発電ダムと送電線の事業権利更新と引き換えに電力料金の引き下げを義務付けたため、来年から料金は下がる。しかし投資家が電力会社株に処分売りを出したため、時価総額は150億ドル以上減少した。

ユーラシア・グループのアナリスト、ホアン・アウグスト・カストロ・ネベス氏は「ブラジルには安い電力が必要だ。だが民間会社に規則を課す政府の対応を見て、ブラジルは第二のアルゼンチンになるのではないか、との疑問が生じている」と述べた。

大統領は金利引き下げについても圧力を掛けた。経済成長が頭打ちとなった昨年、中央銀行に利下げを促し、政策金利は現在、過去最低水準まで下がった。

大統領は続いて、国営銀行に利下げ追随を強制し、民間銀行も競争力確保のために利下げせざるを得なくなった。しかし民間銀行は利ざやを確保しようとコスト削減に乗り出し、雇用にも手を付けた。

次はガソリン価格の統制だ。原油コストが着実に上がっているにもかかわらず、消費者や企業向けの価格を統制した。

しかし国営石油会社ペトロブラス(PETR4.SA: 株価, 企業情報, レポート)は、このせいで今年80億ドル以上の利益を失った。国内のガソリン需要を満たせるだけの製油能力を持たない同社は、ガソリンを輸入して国内向けには出血価格で販売することを余儀なくされた。

ガソリン価格の統制はエタノールメーカーも苦しめた。かつて代替燃料のパイオニアと称賛されたブラジルのエタノール業界だが、サトウキビ生産者が抑制されたガソリン価格と競争できなくなくなっている。

<ミクロな経済運営>

元ブラジル中銀総裁のアルミニオ・フラガ氏は、大統領の政策を総合すると「経済活動をミクロに管理しようとする」見当違いの試みだと警告を発する。

一部のエコノミストは、ブラジルの老朽化したインフラを更新するために必要な民間投資が、政府の介入により妨げられかねないとみている。道路や港湾、空港を更新することは、モノやサービスの流れを阻んでいる障害を取り除く上で不可欠だ。

しかし最近のインフラ案件で政府が提示した投資収益率は非常に低く、投資家はほとんど関心を示さない。サンパウロとリオデジャネイロを結ぶ高速鉄道170億ドルの入札が昨年実施されたが、応札は一件もなかった。

イタウ・ウニバンコのチーフエコノミスト、Ilan Goldfajn氏は「政府は不確実性を補うために高い投資収益率を提示する必要があるという事実を受け入れなければならない。ブラジルは発展したが、経済にはなお不確実性が残っている」と指摘した。

http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE8BI03520121219