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焦点:ブラジルIPO市場は先行き不透明、活況の数年前と様変わり


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去年のIPO件数は3件だったそうです。前年は11件、過去最高は64件というところから見ても、確かにかなり減ってきているんですね。スタートアップは最近それはそれで盛り上がっている印象はあるのですが、IPOとなるとハードルは高そうですね…

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■焦点:ブラジルIPO市場は先行き不透明、活況の数年前と様変わり

[サンパウロ 16日 ロイター] ブラジルの新規株式公開(IPO)市場は活況を呈していた数年前と様変わりした。投資家は慎重な姿勢を強めており、IPOを目指す企業は公開価格を抑えない限り成功はおぼつかない。

物流のVixロジスティカは15日に市場環境の悪化や投資家からの引き合いの弱さを理由にIPO計画の中止を発表。わずか数週間前には回復が見込まれていた市場は水を差された。

これまでに実施された一連の案件が約束通りのリターンを生んでいないため、投資家は非常に警戒心を強めており、今年は60億ドル程度と予想されるIPO市場に影を落としている。

シュローダーズ・インベストメント・マネジメント(ロンドン)のニック・フィールド氏は「IPOを計画している企業は公開価格を魅力的な水準に設定して買い手を引き付ける必要がある。新規に発行される株式に大量の資金を注ぎ込もうという向きはいない」と話す。

サンパウロ市場での上場を計画している企業には、ブラジル銀行(BBAS3.SA: 株価, 企業情報, レポート)の保険・年金部門や格安航空のGOL(GOLL4.SA: 株価, 企業情報, レポート)のポイント制度部門などがある。セメント大手ボトランティム・シメントスも30億ドルのIPOに向けて銀行と話し合いを進めているとされる。

しかし高過ぎる公開価格、経済成長の鈍化、一部セクターへの政府の介入などのリスクを考えると、IPO市場は一部の銀行筋が期待するほど迅速には回復しないかもしれない。

ブラジルのIPOで最大の買い手だった外国人投資家は様子見を決め込み、IPOの質に疑問を抱いている。国内の年金基金も、業績見通しが暗く景気悪化の打撃を受けやすい企業にはソッポを向いている。

<既に過去のものか>

ブラジルではIPOでリスクを取るのは既に過去のことになりつつある。

トムソン・ロイターのまとめによると、昨年のIPO件数はわずか3件で、2010年と11年のそれぞれ11件から減少し、過去最高だった07年の64件から大幅に減った。

ルセフ大統領が銀行、携帯電話会社、電力会社などに値下げを求めると、多くの投資家がIPOから手を引いた。政府が企業に値下げを求めたことで、大統領が横紙破りをするのではないかとの懸念が広まった。

経済の先行きが不透明で、大統領が産業界に積極的に介入する姿勢を示していることから、外国人投資家のIPOへの誘致は最も困難な課題の1つになっている。

トムソン・ロイターによると、外国人は06─08年にはIPOで4分の3以上のシェアを占めたが、昨年はこの比率が45%と10年ぶりの水準に落ち込んだ。

06─07年のIPOブームの際には118社が482億レアル(240億ドル)を調達し、一夜にして財を成す者も多かった。しかし、こうした企業に投資した外国人投資家はそれほど恩恵に浴したわけではない。トムソン・ロイターによると、これらの企業のうち20社程度はライバル企業に買収されたり、経営破綻したりした。

さらに中南米第2位の経済のメキシコにIPOの投資家を奪われた面もある。

<価格差は縮小傾向>

ただBTGパクチュアル・グルポの株式資本市場のヘッド、ファビオ・ナザリ氏は、こうした課題を目の当たりにして企業や投資銀行はIPO戦略を微調整しつつあるとみている。堅実な案件が出回り、経済成長が勢いを増し、世界的な金利低下でリスク志向が高まれば、公開価格は企業の希望と投資家の希望の差が縮まると見込んでいる。

投資銀行ブラジル・プルラルのエクイティヘッドのセバスチャン・シャテル氏は、金利が過去最低水準にあるため、投資家は資金を株式に回すようになり、IPOの需要は高まるとみる。同氏の推計によると、ブラジルの一般的な債券投資のインフレ調整後のリターンは1.5%で、税金の支払いを含めるとリターンはマイナスになりかねないという。

BTGパクチュアルのナザリ氏は「株式ファンドはいつでも動ける状態であり、最良のチャンスを待っている」と述べた。

当局や投資銀行の業界団体などは、IPO促進のキャンペーンを張っており、BM&Fボベスパの幹部は、上場企業数が今後5年間に現在の400社から1000社に増えると予想する。

しかし昨年のIPO市場が低調だった上、欧州債務危機や成長鈍化、ルセフ大統領の業界への介入姿勢などを考えると、この予想は楽観的過ぎるだろう。昨年は需要の弱さから6社がIPOを見送り、IPOを実施した3社のうち2社は売買が成立したときの価格が公開価格を下回った。3社はいずれも、その後の大方の期間で株価が公開価格より低い水準で推移している。

http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE90G04J20130117